binary ghost

どこにでもいて、どこにもいない二進法の幽霊

ゆれる人魚

 

これから、めちゃくちゃネタバレします

その映画見たいって人は絶対読まないでほしいし

多分見ないかなって人は

ぜひ読んでってください

 

ある日、何の気なしに

Amazonを見ていたら

ゆれる人魚」というタイトルと

かわいらしい女の子のジャケットが飛び込んできました

 

この女の子が…王子様に恋して

そして最後は届かぬ思いを胸に秘めながら

泡になっちゃうのね!!

いいじゃなーい!これみたーい!

 

ただ「ジャンル、ホラー」って書いてあるけど。

この映画最後まで見なくても

あなたは必ずびっくりすると思う。

 

 

 

舞台は1980年代のポーランド

ストリップやライブハウスみたいなかんじの

店で働くイケメンベーシスト

(名前忘れた、王子にしとこう)

ボーカルのおばさん、ドラムのおじさんが

川辺で歌って踊って

(あんまり川辺で歌ったり踊ったりしないと思うけど)楽しんでいると

 

美しい二人の人魚が現れ

歌いながら手を差し伸べてきます

 

こわがらないで

あなたたちを食べたりしないわ、と

 

そんな歌を歌われたら

逆に人魚って人間食うんだ

ってビビるじゃん?

 

でも王子たちはこの二人の手を取り

働いてるお店に連れて帰るのです

 

 

姉の人魚の名はゴールデン

黒い髪の人魚

妹はシルバー

金の髪の人魚

 

 

最初めちゃくちゃパニクったはずの

ボーカルおばさんは

二人の母のように寄り添い

店の社長(?)に二人を会わせます

 

「服をぬげ」

 

速攻で脱がせます

二人もすぽーん!と威勢よく脱ぎます

妹の幼児体型が痛々しいけど

これええのん

 

 

社長「穴がないな」

 

穴っていうな

でもおかげでモザイクいらず

 

膣もなく、水をかけると下半身が魚(?)になる

二人に驚いた社長ですが

大喜びで採用

 

見事な歌声と、ストリップで

店の人気者になっていくのです

 

 

最初は二人だけにしかわからない言語で

密談しながら

人間なんて食べ物としてしか見ていない姉妹ですが

 

なんでかわかんないけど

王子とシルバーは恋に落ちていくのです。

これがマジでわかんない。

でもまぁ恋なんてそんなもんだよね。

 

 

一方、姉のゴールデンは

自分に言いよる男を食べてしまいます。

 

そして、それをとある女刑事に

あやしまれるのですが

ある日待ち伏せされ

詳しく聞かせてもらおうかしら?と

立ちはだかった女刑事と、姉

勇ましく戦いだしたと思ったら

いきなりの場面転換で

ベッドの中で激しくからみあい

 

それ以降刑事の追求なし。

 

 

姉の起こした殺人もだけど

刑事の行動も大問題なのに

淡々とスルーされていき

 

シルバーと王子は愛を確かめ合うかのように

キスをして、バスタブに飛び込み

魚の姿になります

 

「入れて…」とシルバーがおねだりすると

(一応ヒレにそれっぽいものはあるらしい)

王子はこう返すのです

 

きみの事はもちろん好きさ…

でも魚としてしか見てないんだ…したくても出来ない

 

どんな断り文句やねん、と思ったら

めげないシルバー

 

「キスして」

「そして私の鱗でベースを弾いて…」

そう言うと、自分の鱗を一枚渡します

 

 

やめとけってベースの弦の方が強いって、モロッて行くって

 

そう思ったんですが

人魚の鱗ってけっこう硬いんですね

その日から王子は、シルバーの鱗を片手に

ステージに立ってくれるようになりました

 

ウロコでベースを奏でるイケメンベーシスト

地味に面白いです

 

そんな時、マーマンなのか何なのか

よくわからないけど

「人間ではない男」が突然出てきますが

物語には特に関係なくて。

 

なんか忘れたけど

全然大したことなさそうなことがきっかけで

バンドの3人は姉妹を殴り倒してしまい

そのまま毛布にくるんで川に捨ててしまいます。

 

人間てこわいね。

 

 

 

 

気がついた二人はそこら辺の人間をムシャムシャ

なんも悪いことしてないのに、すげー気の毒、でも人間は食糧だからね。

 

回復した二人は、再び店に戻ります。

普通に戻ります。

 

姉妹を殴り倒したドラムのオッサンは

「この間はごめん…」とかいってたけど

殴られて川に捨てられてゴメンで済んだら警察いらないっていうか

この物語の世界で警察機能してないからしょうがないか、ってかんじで

 

「怒ってないわ」と近寄ってきたゴールデンに

指を食いちぎられました。

 

怒ってるって!絶対怒ってるってこれ!!

 

 

そんな時、妹シルバーは

ある決断をします

 

美しい歌声を失ってでもいいから、と

へそから下を人間に取り替える手術を受けるのです。

 

足とヒレを交換して

なんで声が出なくなるのかは

よくわかりません!

 

 

自分を人気者にしてくれた

美しい声を失うとしたって

自分は王子と人間として寄り添いたい…

 

そんな表情で手術に臨む、シルバー

そしてとなりには

全裸の女の子

 

 

だれ。

人間の下半身の提供者さんらしいけど

いやほんとだれ

初見さんにも程がある

下半身あげたらあんたどうなるん。

 

 

もちろん彼女にも全く触れずに

手術はスタートします。

 

すごい雑な手術です。

 

電動ノコギリで切り落とした下半身を

よいしょ、って入れ替えて

ザクザクっと糸で縫います。

 

手術っていうか人体切断マジックのほうが

なんぼか近いよね。

 

 

医療関係者さんたちの

医学なめんなぁぁぁ!という声が聞こえるようなシーンです。

 

 

それでも成功しちゃうのが

この映画のいいところ。

 

 

個人的には、へそから下を大胆に切り落とすくらいなら

膣形成手術だけでいいんでないの?と思いました。

水さえかけなきゃいいわけだし

あの触れても貰えないドナーもいらなかったわけだし。

 

 

そして、やっと手に入れた足で

ヨロヨロとリハビリをして

王子にその姿を見せると

当人達同士は待ちに待った、かもしれないけど

手術直後はやめたほうがいいんじゃないかな

傷跡全然塞がってなさそうだし、という状態で

二人は結ばれます。

 

 

そして、二人はコトをすませると

次の瞬間、王子、バンドのレコーディングだかなんだかで

ミキサーの女の人に一目惚れ

 

シルバーは自分で決めたことかもしれないけど

あの提供者の触れても貰えないポジションがより一層かわいそうになる流れ

 

 

あー、1回やってから即座に別の女は

さすがに自己責任とはいえ

シルバー気の毒やん…

 

王子に浮気フラグが立ってしまったと思ってたのです

 

次の瞬間見たのは

王子とその女のセクロスシーンからの結婚式でした。

 

 

はやい、すごい展開はやい、びっくりしてる間もない。

 

 

 

そこへ、物語とは特に関係ないことでおなじみ

あのマーマンが出てきて教えてくれます。

 

「彼を明日の朝までに食べるんだ、そうしないとお前は泡になって消えてしまう」と

 

 

それも理屈が全然わかんないけど

そうだっつったら、そーらしい。

 

 

声を失っているシルバーは

朝日が差し掛かった甲板で

そっと王子の手を取り

最後のダンスを踊りました

 

そして、そのまま彼の喉笛に

一瞬歯を突き立てようとするのですが

全て吹っ切れたような笑顔で

王子に抱かれたまま、シルバーは泡になるのです。

大好きな人を殺すくらいなら

自分が泡になって消えることを選ぶ。

あの笑顔は強がりなんかじゃなく

 

この世の最後の瞬間を、大好きな人の腕の中で迎えることへの

喜びだったのかもしれません…。

 

 

そして、シルバーが

消えた瞬間、ゴールデンが逆上して王子をぶっ殺しました。

 

 

ええええええええええ!ってなりました。

 

しかも、そこで物語おしまいです。

 

 

 

なんていうか…絶対見ない方がいいよ!

って思うんだけど

くっそおもしろかったです。

 

この置いてけぼり感、たまんないです。

 

 

なんの説明もなく出てきて

下半身切断されて

その下半身で何するん?と思ったら

単にセックスするだけで

しかも提供して程なく人魚は死ぬっていう

あの下半身提供者の彼女で

続編があったらいいのにな…

 

 

 

すごいヒマで、全くやることがなかったら

絶対見ようと思います!

 

 

~fin~