binary ghost

どこにでもいて、どこにもいない二進法の幽霊

頑張った日

 

なんかテンション高いときは

気が大きくなるせいで

明るい人だと勘違いされるかもしれないけど

私は暗いし

私より大人しいとしたら

死体の可能性があるくらい、私は無口だ

 

そんな私を心配してくれた数少ない友達から

人との交流をたまには持つんだよ、と諭され

それが想像するだに苦痛だったので

絶句して辞世の句を考えていると

「で、できないもんは仕方ないか、仕方ないよね」と

せっかくの提案を引っ込められてしまったことがあった

 

せっかく私のためにと提案してくれたのに

申し訳ない気持ちで、すぐさま腹を切りたかった

だれか!介錯を!と叫びたかった

 

 

そんな事があってから数日

悩んでいたのだが

今日は今いる客先で

休日出勤で人数がそこまでいないこともあったので

思い切ってみんなとの昼ごはんに参加してみた

 

 

「私もご一緒していいですか」

と、言った時の

みんなの驚きの顔といったら

 

そんな驚かんでもええやん…

新種の昆虫発見した!みたいな顔やん

 

「たいへん!!

みんな!!!!

ぬいちゃんもいくって!!」って

すげー大きい声で叫ばれたし

なんか拍手された

 

 

それ、歓迎してくれてるんだろうけど

逆に傷つくからやめてお願い

 

 

「めずらしいね!」

「前に誘った時死にそうな顔してたから絶対イヤなのかと思ってた」

「ぬいちゃん好き嫌いある?」

「何たべよっかー」

 

みんなの輪に混ざって歩くのは

緊張した

 

 

「今まで不義理をしてすみません」

「いい歳をして人見知りなもので」

「好き嫌いはありません」

「何でも食べられます」

 

私にしちゃなかなか喋れてる!

同時に複数の他人と喋るなんて

すごいかも!と少し自分を誉めたくなった

 

しかし、問題は人見知りなだけでなく

もう一つあった

 

私はものすごく食べるのが遅い

一口食べたら一回箸をおいて

一曲歌ってるわけでも、打席に立ってるわけでもない

 

真面目に食べているが

特に麺類はすすることが出来ないのが手伝って

二時間近くかかったりする

 

 

今日は別に昼休みが一時間と決まってるわけでもないけど

ランチに二時間かけてたら

多分イタリアにとばされてしまう危険があるので

頑張ろう…!

 

私は妙にやる気でみなぎっていた

 

 

入った定食屋さんで

ハンバーグ定食ライスなし、という注文をしたら

店のおばあさんが

「あらま、お姉ちゃんダイエット?

じゃあ代わりにキャベツ大盛りにしてあげよう」

と、言い出した

 

 

おばあちゃんちがーう!

量ふやすだめーーー!

 

「朝ごはん食べ過ぎちゃったんで

量を調節したい」という

言い訳をしてなんとか普通の量にしてもらえた

 

「ぬいちゃん、いつもお弁当作ってるよね、あれすごいね」

元気なお姉さん、三輪さんが

隣に来てくれた

 

「い、いやあれは、残り物とかも入ってますし」

「夜も自分で作ってるの?帰り遅いのに」

「かかかか簡単なものばかりです!」

 

向かい合うとやっぱり緊張は高まったけど

みんないい人で

いっぱい話題をふってもらえた

 

一応友達とも

「雑談をする練習」をしたのだが

(こんなことに付き合ってくれた友達は

多分マザーテレサガンジーの生まれ変わりだと思う)

それを思い出しながら

「ご趣味はなんですか!」とか

質問もしてみた

 

今思うと

見合いかよ

とも思えるが

コミュ障な割に頑張ったんや

許してくれ

 

ただ、緊張しすぎて

三輪さんがキャンプファイヤーが趣味で

時々ご主人やお子さんを連れて

キャンプ場にいく、と言う話をした時は

 

キャンプですか!

ファイヤー楽しいですよね!

 

若干だがルー大柴さんが降りてきていたように思う

基本、三輪さんとばかり話してたけど

他の三人の話すことにも

微笑んでみたり

相槌を打ってみたり

 

いつもの30倍くらい濃い昼休みだった

 

そして、こう書いてみて思った

 

 

 

つくづく私コミュ障だなーって。

 

 

次の目標は、自分から

飲み会に参加してみることだ

 

私の快進撃はとまらない。

 

 

あと一回くらいは

またランチに参加してみようと思う

 

1週間くらいインターバル必要だけど。