binary ghost

どこにでもいて、どこにもいない二進法の幽霊

半沢ぬいし。

 

今回は、私なりに

最大級の不思議な話

 

私は霊感とか全くありませんし

たいして不思議な経験もありません

 

以前、都内の駅前で

「そこのスーツ姿のお姉さん·····!」と

占い師さんに声をかけられて

 

「なに?!死相がでてんの?!

このあといきなり死んで

霊界探偵として甦って

実は親父は魔族で

れいがーーーん!とか言いながら撃っちゃうの?」

と、構えていたら

 

「飲みにいかない?割とおじさんのタイプ」

 

「いかねーよ!せめてすごくタイプくらいの世辞はいえねーのか!割とってなんだよ!」

 

ということがあったくらいです

 

や、もっとあるんだけど

なんか占い師に突如話しかけられるって

不思議な話の導入でありそう度としては

結構高いじゃん·····

まぁこの話どうでもいんだけんども。

 

 

 

そんなわたくしめですが

さきほどまで

めっちゃくちゃ背中(心臓のあたり)が痛くて

寝ておりました

まるまる二日よ、まるまる二日!

朝ごはんはなんでしょねー

じゃないほうのマルマルでモリモリ痛かったのよ

 

痛みは突然背後からも体内からも

ロンギヌスの槍で刺されたかのように

衝撃的に身体を走り

脂汗をにじませ、もんどりうって耐え

やがて、体力も無くなり気絶するように寝て

起きるとすっかりなんともないけど

またしばらくすると痛み出す

 

最初は悪寒とか目眩とか

風邪みたいな症状だったし

完全に風邪だと思ってたけど

 

でも途中から、背中が妙に痛くて

体内も痛いけど、皮膚も痛い

裂傷のようなヒリヒリ感まである

 

それを何時間かごとに繰り返し

仕事も食事もできなくて

妹に頼んで車で迎えに来てもらい

病院につれてってもらったけど

色々調べても、先生も原因がわからない

という八方塞がり

 

とりあえず痛み止めはもらえたけど

根治治療にはならず

帰ってまた死んだように眠って

起きて痛みに耐えて

また眠って

 

 

どこが夢で、どこが現実なのか

あやふやだった

 

ずーっとボンヤリしていた

 

よくわからない夢をみて

うなされて汗をかいて

身体中がベタつくのだけは嫌だなと

風呂に入ろうとしたら

背中に手のひらくらいの大きさの黒いアザ

 

え、なにこれ?

 

って風呂場の鏡で何度もみたけど

ぶつけた記憶もないし

押しても痛くもない

 

変なの·····きもちわるっ

 

そう思いつつ、また痛いフェーズに入ると厄介なので

急いで入浴をすませ

また何回目かの痛みがはじまり

再び疲れて眠り

 

気づいたときは、とある友人と

弟を間違えて

「犬に食パンをあげてはいけません」

みたいな謎のLINEを送っていた

 

 

しばらく後に

それに気づいて、慌てて謝り

ちょっと朦朧としてることを告げると

とりあえず寝ろ、と促され

そのまま気を失うみたいに夜まで寝た

 

夜になってひょんなことから

その友人と

「ぬいし呪われてるとかwww」と

冗談まじりに

 

医者でもどうにもならないなら

呪いとかもあるんじゃないかという

話になった

 

呪われるようなことあったかなぁー

恨みなんて買ったっけ?

 

恋愛がらみ→孤高のソロプレイヤー

仕事がらみ→フリーランス、人付き合いあんまない、客とも揉めてない

近所→犬とばあちゃんたちにだけはクッソもてる、関係良好

友人→少ないから一応丁寧に付き合ってるつもり、ここの数人にきらわれることは

私の社会的死を意味する

 

私の少ない交友関係から色々考えても

思い当たる人がいなかった

 

友「わかった!モテる男と仲良くしちゃって

逆恨みされてるとか!」

 

私「モテる男が俺とわざわざ仲よくするわけないだろう誤解すぎる!

逆恨みしてくるなら

アナタの周りの女じゃないの?」

 

友「ふふふ·····絶対に俺や俺のまわりではない!

なぜなら身を潜めているからな!」

 

私「自慢にならねーー」

 

 

 

ふざけながらも

友達は、病気の路線と

呪いの路線でいくつか調べてくれたが

その頃また、時々痛み出した

 

とりあえずあまり効かないけど

鎮痛剤を飲んでおく

気休めだけど、今はこれしかない

 

友達にも、いつ寝てしまうか

わからないので

薬を飲んだことを告げ

 

他愛もない話をしていると

「とりあえず呪返しやってみよー!」ということになった

 

そうだ、俺を呪ったからには

やり返されることも

致し方ないことなのだ

 

さっそく食品庫から

ストックの粗塩を探して

レミパン(8000円)で

じっくりコトコト炒めてやった

 

私の大事なレミパン傷まないかしら

ってすごい心配だったけど

呪返し紹介サイトに

やれと書いてあるのだ

やらざるを得ない

 

その他にも、手鏡と水を使う方法と

タントラとかいうお経みたいなのを

長時間聞くものなど

同時に複数ためした

 

お経流しながら

鏡を水に沈めて

塩炒めてる女は

絶対いま世界に一人だろうなと思った

 

そう、その瞬間だけ

わたしは唯一の存在になれたのだ

別にちっとも嬉しくないけど。

 

 

私はちょっと焦った

 

痛みがひいてきている

ガチで呪いだったんwwwと

 

痛み止めのおかげだとしたら

効く時間も効果も違うし

なんなら塩を炒めてるときから

あれ?どんどん痛くなる頃合なのに

痛くなくなってきてるー

おかしいなぁー

って思ってた

 

スピリチュアルなものとか

基本あんまり信じてないから

冗談半分で最後は

「効かねーじゃん、やっぱまた

明日病院にいってハシゴするわ」

っていう予定

だったのに!!!!

 

 

友「マジで痛みひいたの?·····つ、つまり」

私「言うな·····皆まで言うな」

 

 

確定じゃないけどさ

呪われました!だよ

なんだよこの報告

 

素敵な彼氏ができました♡♡とか

ダイエット大成功!とか

宝くじあたっちゃった!とか

自慢してーのに

よりによって「呪われました」とか

報告したくねーよ

 

 

最初こそ

マジで呪いとかあるんだー!

うひゃー!興奮するぅーーー!

 

うっほうっほ!(ゴリラ)

これは面白い!

と、大喜びで飛び跳ねた

 

けど、心の隅で

私はちょっと落ち込んだ

私を呪った人がいたかもしれないんだ

 

恨みに思われてるんだ

嫌われてるのかしら

 

果たし状とかくれたほうが

分かりやすくて、雌雄も決しやすいじゃん

 

拳で語り合えたほーがよくね

 

 

 

 

いま、わたしは

すっかりピンピンしてすごし

黒というか紫というか

はっきり出てたはずのアザも

うっすら茶色になるまで消えて

ふつーに過ごしている

 

この驚きを伝えたくて

はいさい!みたいに叫びながら

必死に背中の写真を撮り

友達に送ったら

あ!ほんとだうっすらちゃいろー!と

アザがあったことだけは

わかってもらえた

 

私の半裸の背中の写真なんか送り付けられた友人には

心から申し訳ない

二回までなら殴っていいので

心の閻魔帳にでもつけといてほしい

 

 

二日も何も出来ずにいたので

忙しくスケジュールの巻き返しをはかり

今日も不動産関係で物件見に行ったり

資料集めたりわさわさしていたが

 

心のどこかで

ワクテカしていた

 

オラが呪われてたんなら

今頃呪返しくらってる人間がいるじゃーん!絶対倍返ししたらぁー!

 

ヒャッハーーざまあー!と。

 

 

 

こんな人間だから

呪われるのだろうな、と思った。